住宅に関するQ&A
軸組工法による木造住宅は、木そのものの素材の特性を生かした建築工法です。また、地域の気候や風土、生活を熟知し、経験豊富な伝統技術を持つ地元の建築士や大工・工務店の技能が活かされた建物です。
なぜ木は健康に良いのか?
1)木は調湿性をもつ
木材は、湿度の変化に応じて吸湿と放湿を繰り返している天然の調湿機です。湿度が高いとカビやダニが繁殖したり、反対に低すぎるとのどをいためたり、風邪をひきやすくなります。木は湿度の高い時は水分(水蒸気)を吸収し、湿度の低い時は内部に吸収した水分を放出して湿度を一定に保とうとする性質があります。このような性質は住環境を良くするほか、美術館や博物館の収蔵庫の内装材にも利用され収蔵品の保管にも役立っています。ただし、このような優れた特性も透湿性の少ない塗装で表面に膜をつくってしまうと、効果はなくなってしまいます。
戸棚の中の温度変化
出典:「木づくりの常識非常識」学芸出版社
2)木は防ダニ効果がある
学童寝室床のダニアレルギー陽性割合
(grade2以上)
出典:「木づくりの常識非常識」学芸出版社
ダニは気管支喘息や鼻炎、皮膚炎などのアレルギー症を引き起こす原因で、デリケートな赤ちゃんのいる家庭では特に気になる問題です。木の床はダニにとって住みづらく、カーペットから木の床に改装するだけで、大幅にダニの数を少なくすることができます。また、ダニはひのきなどの木の香りが嫌いです。
3)木は殺菌・防腐効果がある
ヒバなどから摘出される「ヒノキチオール」という物質は、その殺菌・防腐効果が広く認められ、現在ではさまざまな分野で利用されています。また、ヒバに限らず木材の精油分には樹種に応じ色々な薬効成分があり殺菌、防腐のほかにも殺ダニ、ゴキブリを追い払う、カビの発生を防ぐことなども明らかにされています。
4)木はやわらかい
意外に家庭で多いのが転倒事故。被害にあうのは圧倒的にお年寄りや子供です。このような転倒事散を防ぐには、床や階段の表面に滑りにくく、衝撃を吸収する材料を使うことが重要です。木はたくさんのパイプ状の細胞が集まったスポンジのような構造からできていて、転んだときの衝撃もやさしく和らげてくれます。また木は適度に摩擦感があって転びにくく、お年寄りにも安心な素材といえます。
5)木は無毒
新建材の中に含まれる化学物質の中には人体に影響の大きい有害物質も多数含まれています。合板の接着剤などに使われているホルムアルデヒドは、アレルギーの原因となり発ガン性物質にもなるとされています。これらを建物からすべて無くすことは不可能ですが、からだに触る部分などには無垢の木を使うことで居住環境の改善をはかることができます。
なぜ木は環境にやさしいのか?
1)炭酸ガスを蓄積する木
森林は炭酸ガスを光合成で樹木の中に吸収・固定し、地球温暖化をおさえる重要な役割を果たしています。木の中に固定された炭酸ガスは腐敗や燃焼がなければ大気中に放出されることはなく、木を生活で末永く使うことは、炭酸ガスを木の中に閉じ込めておくことになります。また、木を伐ったあとすぐ植林し再生産しながら炭酸ガスを蓄積し続けることが可能です。
2)製造エネルギーが少ない
木とアルミの製造エネルギー
木は、製品をつくるまでに必要なエネルギーや、その時に放出される炭酸ガスがほかの素材に比べて少なくてすみます。木は、地球環境にやさしい材料なのです。
3)木はかけがえのない栽培資源
木材は埋蔵資源ばかり使っている建築材料の中では珍しい栽培資源です。銅、石油、石灰石等の埋蔵量が問題とされている今日、木材は再生産の可能な資源であり、取り扱いを誤らない限り永久的に使える材料です。
森の中での木材の生産
4)木を伐ることは森林保護にもなる
木を伐ることは悪いことのように感じている人もいますが、木を伐ることは森林保護にも役立っています。林は、木の成長に伴い枝葉が重なり、光を遮ることにより木の成長が悪くなります。また下草や小動物の活動も抑えられ土が死んでしまいます。老齢の林はほとんど成長力がなく、二酸化炭素を固定できず、逆に放出する側にまわっています。木を間伐することや、老齢の木を伐採し植林することによって、二酸化炭素をより多く固定できます。そのためには、林業振興による森林の管理が必要です。こうすることにより森林が健康になり、環境を守ることにつながります。
5)地球環境を守る
大気浄化作用の違い
出典:「木のメカニズム」養賢堂
森は地球全体の環境にとって大変重要な生態系のひとつです。そして木を育てることは水源林を守ることにつながります。山の木を使って家を建てることは山に人が入り、山を守ることにもなります。山を守ることは川をも守ること、そして海を守ることでもあるのです。伐ったら植えることにより地球環境も守っています。
なぜ木は人になじむか?
1)天然素材
木は天然素材。私たち人間も生物なのですから、天然素材の木と相性が合わないはずはありません。 天然の木は、視覚、触覚、聴覚などを通じゆったりした気分にさせ、不安や疲れを和らげるといわれています。
2)長く使って味がでる
年数と共に傷やよごれも味や深みに変わってくるのも天然素材ならではです。新建材は新しいうちはきれいですが、傷やよごれは天然素材と違い逆に見苦しくなります。
3)手ざわりがよい
木は多孔質であり、柔らかい触覚とほどよい温冷感を得ることができます。 また肌に優しく、汗を吸い、熱を奪いにくい性質も持っています。
4)目にやさしい
木材表面の光の反射
出典:「木のメカニズム」養賢堂
人間の目には反射率50~60%が最も心地良いとされています。木の表面は微細な凹凸が光を散乱させ反射率はちょうど50~60%となり、目に優しい環境をつくってくれます。 また、木は波長の短い有害な紫外線をほとんど吸収してくれます。
5)同じものがない木目
工業化された製品とは違い、その木目の変化、微妙な色彩、風貌は同じものはなく眺めていても飽きません。
6)音と木
最近の研究で、人が聞こえない超高音域(20~30キロヘルツ)の音が耳に入ると精神的に安定し、心地良くなるという結果がでています。 この音域は鉄筋コンクリート造ではカットされますが、木造では入ってくることがわかっています。
木は弱い?
1)木の強度
木は決して弱い材料ではありません。同じ重さの鉄やコンクリートと木の強さを比べると、杉で圧縮の強さはコンクリートの約10倍、引張の強さは鉄の約4倍、曲げは鉄の15倍もあります。
建築材料の強度比較(単位:kgf/cm2)
材料 | 杉 | コンクリート | 鉄 | |
---|---|---|---|---|
比重 | 0.4 | 2 | 7.8 | |
引張 | 強度 | 900 | 20 | 4,000 |
比率 | 2,250 | 10 | 509 | |
圧縮 | 強度 | 380 | 200 | 3,500 |
比率 | 950 | 100 | 445 | |
曲げ | 強度 | 700 | 20 | 1,000 |
比率 | 2,800 | 7 | 182 |
2)乾燥材を使用する
木材の優れた特性を十分に発揮させるにはよく乾燥させることが重要です。 未乾燥木材は強度、耐久性などの問題のほかにも、施工後の割れや狂い、釘・ボルト接合部の施工後の乾燥による接合力の低下等の危険性を含んでいます。
木は断熱性があるの?
断熱性能
木材は多孔質であり固定した空気層を持つため熱伝導率が小さく、保温性、断熱性にすぐれています。木を内外装材として使用することにより断熱性を高めることができます。空気の熱伝導率は0.02で、水の 0.5に対して1/25です。細かな動かない空気をたくさん含んでいる物質は熱を伝えにくい性質
材料名 | 熱伝導率(kcal/mh℃) | 材料名 | 熱伝導率(kcal/mh℃) |
---|---|---|---|
杉 | 0.1 | 鉄 | 80 |
石膏ボード | 0.19 | アルミニウム | 238 |
コンクリート | 1.3 | 水 | 0.5 |
ガラス | 0.55 | 空気 | 0.02 |
木の耐久性は?
乾燥と通気を良くすれば半永久的
木材の乾燥と通気に十分考慮して使用すれば木材は、半永久的に長持ちします。木材の耐久性を損なうほとんどの原因は、腐朽菌やシロアリなどの生物による被害です。
★鉄筋コンクリート造や鉄骨造にも寿命がある
コンクリートは、時間の経過と共に空気中の炭酸ガスなどの作用によって、アルカリ性を失い中性化します。中性化すると鉄筋の防錆効果を失い強度の低下を招きます。また、鉄骨も錆により強度が低下することがあります。
軸組木造住宅のコストは?
1)いろいろなランクが可能な木造住宅
軸組木造住宅は建築主の要望に応じて、いろいろなランクの住宅をつくることができるので高いと誤解されているようですが、同じ性能、同じ品質であれば他の工法の住宅より高いということはありません。
2)節にこだわらなければ低コスト
木材は、性能(強度、耐久性等)よりも、節の有無や木目などの見た目の美しさによってグレードが区分され、価格が大きく異なります。多少の節にこだわらなければ、木造住宅を低コストで建てることができます。
軸組木造住宅は地震に弱い?
1)阪神・淡路大震災の被害
阪神・淡路大震災の直後、マスコミが軸組木造住宅の被害を取り上げ、それに対比することで工業化住宅やツーバイフォー住宅は地震に強いというイメージを与えました。 しかし、倒壊した建物にはすべてなんらかの欠陥があるものばかりで、施工や維持管理のしっかりした軸組木造住宅の倒壊は見られませんでした。 また、瓦屋根も地震に弱いように報道されましたが、葺き土を使用せずしっかりと耐力壁(筋かい)を設ければ問題はありません。
阪神大震災の被害調査結果(木造住宅等震災調査委員会報告書)
2)阪神・淡路大震災の主な被害の要因
軸組木造住宅では、下記ような欠陥が組み合わされて大きな被害となりました。
- 白アリや腐朽による構造体の弱体化
- 軟弱な地盤
- 基礎がレンガであったり、コンクリートに鉄筋が配筋されていなかった
- 土台と基礎がアンカーボルトで繋結されていない
- 各階において、耐力壁(筋かい)の量が不足している
- 耐力壁(筋かい)が平面的にバランスよく配置されていない
- 筋かいと柱あるいは梁が金物により固定されていない
- 柱が細く少ない
- 「葺土」と瓦をのせる重い屋根構造が多い
- 建物が老朽化している
阪神淡路大震災の被害例
-
柱が細く折れてしまった通柱
-
柱が腐っていた
-
シロアリの被害を受けていた
-
土台から柱が抜けてしまった
-
基礎に鉄筋が入っていなかった
3)地震に強い木造住宅
軽くて強い木材でできている軸組木造住宅は、適正に施工さえすれば地震に強い工法です。
く適正な施工とは>
- 良好な地盤と強固な基礎
- アンカーボルトの適正な配置と施工
- 土台、柱、梁が腐朽しないための適正な施工
- バランスの良い筋かい配置と適正な筋かいの量
- 筋かいプレート等の金物による緊結
- 柱と土台、梁の金物等による緊結
- 上階の柱は、できるだけ下階の柱の上にのせる
- 床剛性を高めるため、火打梁の適正な配置と施工
軸組木造住宅は火事に弱い?
1)木は火に強い
木材は燃えますが、ある程度以上の厚さがあれば表面が焦げるだけで中までは燃えません。火災時における木材は、30分間火にさらされても表面の11~16ミリしか炭化しません。したがって12cm角の柱の場合、10cm程度は炭化しないで残るので倒壊するようなことはありません。
2)加熱による強度低下が少ない
木材は相当程度火にさらされても、急激に強度が低下することはありません。
3)防火・準防火地域でも木造は可能
防火・準防火地域内でも木造で住宅を建築することは可能です。また、規制はきびしくなりますが、準防火地域内で木造3階建住宅も建てることができます。
-
防火地域 2階建 100平方メートル以下
- 屋根を不燃材で造り、または葺く
- 屋根、軒真の延焼の恐れのある部分を防火構造とする
- 外壁を耐火構造とする
- 延焼の恐れのある部分の開口部を防火戸とする
-
準防火地域 2階建 500平方メートル以下
- 屋根を不燃材で造り、または葺く
- 外壁、軒裏の延焼の恐れのある部分を防火構造とする
- 延焼の恐れのある部分の開口部を防火戸とする
-
準防火地域 3階建
- 屋根を不燃材で葺き、外壁、軒裏を防火構造とする
- 外壁の室内に面する壁、天井は12mm石膏ボードで仕上げる
- 3階の天井は9mm+12mmの石膏ボードで仕上げる
- 敷地境界線や道路中心線からの距離に応じ開口部の面積制限
- 延焼の恐れのある部分の開口部を防火戸とする
- 3階各室と廊下、階段、吹抜などとは壁や戸で区画する
軸組木造住宅はなぜ耐久性があるか?
1)木は耐久性がある
木そのものは乾燥状態にあれば半永久的に長持ちします。
2)通気を良くして耐久性を確保
木造軸組工法は、壁体内の通気を確保しやすくし内部結露等を防ぎ、耐久性を確保します。
3)真壁構造の利点
柱を現す真壁工法は、木材の通気を確保するには優れた工法で、木造軸組工法でしかできません。また、仮に家の構造体に不都合をきたしても、人の目に触れているので、すぐに発見して対処できます。100年もの長い間風雪に耐えてきた民家もたくさんあり、軸組木造の耐久性の良さは歴史が証明しています。
4)部分補修のできる軸組木造
軸組木造は、万が一にも構造材などが腐朽した場合でも、部分的に手を入れて交換、補修が可能です。
5)耐久性を向上させる対策
- 床下にコンクリートを打設するか、防湿フイルムなどを敷く。
- 布基礎は鉄筋コンクリート造とし、基礎の高さをできるだけ地盤面から40cm以上を確保する。
- 基礎の内周部、束石の周囲には、防蟻のための土壌処理を行う。
(床下の換気、防湿を十分に取れば必ずしも必要はありません) - 土台には、檜やひばなどの腐りや白蟻に強い木材を使用する。
- 次にあげる部分には、防腐、防蟻薬剤を加圧注入、または、塗布した木材を使用する。
- 土台、外壁柱、筋かい、下地板で地盤面から1m以内の木材
- 浴室部分の木材(天井下地板、床下地、根太等を含む)
- 台所の水がかり部分
- 小屋裏、床下、外壁体内の換気を十分に図り、防湿につとめる。
- 屋根、外壁には防水性の高い材料を使用する。
軸組木造住宅はなぜ増改築が容易なのか?
長い年月の間には、子どもの誕生、成長、結婚など家族構成も暮らし方も変化します。住まいもその変化に合わせて変えられてこそ、よりよい家といえます。軸組木造住宅は増改築が容易ですから、暮らしの変化への対応力も備えているといえます。
1)設計の自由度
屋根や床などの上部荷重を梁に伝え、それを柱で支える軸組工法による木造住宅は、壁で荷重を支える構造に比べ、自由に間取り設計ができます。好みや価値観、暮らし方の多様化した現在、軸組木造住宅はそれぞれの暮らしに合った住まいづくりに幅広く応えられるものといえるでしょう。
2)大きな開口がとれる
太い柱や梁で構成された重量鉄骨造や鉄筋コンクリートラーメン構造と同様に、軸組木造住宅は柱と梁で支えるため開口部が大きくとれ、耐力壁以外の壁や構造フレームの交点柱以外の柱の位置が比較的自由に変更できます。
3)和小屋組は変更が容易
軸組木造住宅の和小屋組はトラス構造と違って、束の高さを変えることで、増改築による屋根の形状や大きさの変更が容易に対応できます。
4)対応の幅が広い
システム化されていない分、梁の補強や継ぎ足し等も可能で、増改築への対応の幅が広がります。
5)きめ細かい対応が可能
軸組木造住宅は地元の工務店、大工さんがリフォーム、増改築にきめ細かく対応できるメリットがあります。
木の素材の良さを活かすには?
1)木の良さ
木の良さには科学的に証明されたもののほかに、人の心と結びついた良さもたくさんあります。
科学的良さ | 心理的良さ |
---|---|
調湿性 防ダニ効果 殺菌、防腐効果 無毒性 吸音性 |
目にやさしい 手ざわりがよい 木目のぬくもり やわらかい 天然素材 |
2)木を見せる
このすばらしい木を、できるだけ生活の場で見えるようにしたい。また、柱、梁が見えると安心感もあります。たとえば大黒柱を背に座ると落ち着きを感じたり、天井板の木目に思いをめぐらせながら眠りについたり、木には自然の与えてくれる何かの力があります。
3)真壁構造
木造の家といっても、木組みの構造体を建材で覆ってしまう構造では、木が呼吸できず、健康な状態を保っことは難しいでしょう。木の耐久性のため、生活環境のためにも木の特性を最大限に活かすために、真壁構造が最適です。柱や梁がそのまま見える真壁構造は、構造体が空気に触れているので、木の呼吸を妨げることがありません。
軸組木造住宅はなぜ福井の風土に根ざしているか?
夏の高温多湿、暗くじめじめした冬、積雪。そういった福井の気候に軸組木造住宅は適しています。
1)多湿
木材は、湿度が高くなると湿気を吸収し、低くなると湿気を吐き出し快適な湿度空間をつくり出す働きがあります。こういう木材を室内に現した真壁構造は、家を長持ちさせ湿度の高い福井の風土に適した、快適に暮らせるすぐれた工法です。
2)積雪
軸組木造住宅は、柱、梁等の大きさを変えることにより、その地域の積雪に応じた建物を建てられるため合理的であり、また、地域の特徴がでてくる工法でもあります。太い柱、梁でつくられた民家は、雪深い福井の地でもいまなお建ち続けています。
3)通風
福井の夏を考えると、冷房が普及した現在でも通風のための広い開口部は必要です。冷房が本当に必要な時期は短く、あとは通風で十分対応できます。梁のフレームで構成された軸組木造住宅は大きな開口部をとることができます。
4)和室続き間
福井では、まだ和室続き間の需要が高く、フレームで構成された軸組木造住宅はその点でもすぐれているといえます。
5)地場の自然素材
福井の自然や文化が育んできた材料は、福井の風土に根ざした材料ともいえます。地元の気候で育った、地元の木材を使うことも大切なことです。その他、越前瓦や越前和紙(和紙クロスとして製品化)なども風土に根ざした材料といえるでしょう。
軸組木造住宅はなぜ安くできるか?
1)経費が安い
地域の大工・工務店が建てる軸組木造住宅の建設費用のうち、経費が占める部分は比較的安く抑えられています。これは営業や広告の経費、モデル住宅の維持費、工場等の費用が少なくてすむからです。工業化住宅の場合、経費率は全体工事費の3割ともいわれています。
2)信頼関係で営業
地域の大工・工務店は、地元との信頼関係で営業しています。不評が広がると、生きていけません。常に誠実な仕事を心掛け、アフターサービスにも努めています。こうした信頼関係の上で営業をしているので、多大な広告費や、多くの営業マンをかかえる必要がないのです。
軸組木造住宅の人気の秘密は?
日本人の約7割の人が、在来(軸組)木造の家を希望しています。
1)日本人の生活様式に合っている
日本人は、玄関で靴を脱ぎ、畳に寝転がってくつろぎ、こたつで団らんをします。洋式の居間でもソファーを背もたれに床に座ってあぐらをかくこともあると思います。輸入住宅でさえ玄関を設け、和室を設ける場合も多いようです。日本人は、四季を感じ、日照のめぐみを享受するために開口を広くとり、庭とのつながりを大切にしています。軸組木造住宅は、このような日本人のくらしにとって有利です。
2)心が安らぐ
世の中が激しく変化し、ストレスがたまる一方の今日の社会では、住まいに心の安らぎ、落ち着き、精神的な豊かさなどが求められています。木は理屈抜きで落ち着きます。そして、木をふんだんに使用し、柱や梁を化粧現しとでき、その要求に応えてくれるのが軸組木造住宅です。
3)健康に良い
木の持つ調湿性、防ダニ性、殺菌性、無毒性などをいかした軸組木造住宅は家族みんなが安心して住まうことができます。
4)増改築が容易
家族構成や収入よって住み替えをする欧米人と違って、日本人はひとつの家に愛着を持ち長く住みたいと願っています。長く住むためには家族構成やライフスタイルに合わせた増改築が必要です。その点でも増改築に有利な軸組木造住宅は優れています。
5)設計の自由度
軸組木造住宅は間取りも自由(耐力壁や柱の位置に多少の制限あり)で、要望に細かく対応することができます。住宅に生活を合わせるのではなく、生活に住宅を合わせることができます。デザインも和風だけでなく、モダン、洋風、シンプルなど自由で、好みに合わせることができます。
6)教育の場でも見直されている
最近、保育園の園舎や学校の校舎に木造が見直されてきました。木の環境は子供たちに落ち着きを与え、情操を育む効果があることがわかってきたからです。